地獄の片鱗
先月3歳になった息子は、乳児のころからとても愛想もよく人懐っこい、おまけに(親バカかもしれないですが)顔も可愛い、とにかく自慢の息子、でした。
もちろん今も愛する何よりも大切な息子ではありますが、無条件に可愛い可愛いと言っていた頃とは少し状況が違ってきています。
地獄の片鱗が見え始めたのはたしか1歳半ごろでした。
なにか上手くいかない、思い通りにならない事があると息子は大きな声を出したり、泣き叫んだりするようになりました。
ただこのころは所詮相手は幼児、あらぁ~うまくいかなかったね~、かなしかったねぇ、などと声をかけ手を貸したりなだめたりすればおさまったので、「イヤイヤ期ってこんなもんなら大したことないわ、世の母親たちはこれくらいのことで悩んでてメンタル弱いわね」と呑気に思っていました。
2歳前後のころ、すでに自分も「メンタル弱い」世の母親であると痛感していました。
こどもは妖怪!?
自我が芽生え、なんでも自分でやりたい(しかも大してできない)、自分以外の者の発言は全て否定することによって、自分を肯定するという謎の思考回路を持つこのころの幼児は、もはや妖怪としか思えない行動をします。
とにかく何でも否定するので、ウンチをしてもオムツを替えさせない、服を着替えない、といった怪奇現象が起こります。
そのため午前中出かけられなくなります。
予定がなければ、こちらとしてはべつに出かけなくてもいいのですが、厄介なことに、この時期の妖怪は、まだひとりで遊んだりするスキルを持っていません。
そのためいちいちこちらの邪魔をしてきたり、家にいることに飽きて暴れたりします。
じゃあさっさとオムツを替えて身支度を済ませ外出しようよと思うし、何十回もそのように提案するのですが、それは妖怪には受け入れられません。
もう堂々巡りで、何も進まないのです。
外出も帰宅も大変
でもある時(最初の提案から数時間後)、急にオムツを替えろと言ってきて、何事もなかったかのように出かけたがります。
もう昼食の時間だから、昼食後に少し散歩に行こうかなどと、その時々に合った提案をしますが、それは否定され暴れられます。
色々あってやっと外出すると、今度は帰宅困難になります。
「帰るよ」の声掛けを機に、公園にいれば急に忙しく遊び出す、またはこちらの声が聞こえてないようにふるまう。
スーパーにいればもう一回行きたい!と店内を何周もグルグル徘徊する。
どこにいても共通なのは、らちがあかなくて、無理矢理連れて帰ろうとすると、この世の終わりかというくらい泣き叫び暴れ大乱闘になります。
バイオレンス育児
出かけられない、帰れない。
狂ったように泣いて暴れる我が子。
そんな状況を毎日続けていると、こちらももう精神的に追い詰められます。
今まで様々な育児情報ツールで仕入れて知っていた「イヤイヤ期の子供に対する接し方」で、最初は理性的に対応するのですが、そのうちそんな理性はふっとびとにかく怒鳴り、暴れる子供を文字通り引きずって連れていく、というようなバイオレンス育児になっていきます。
そしていつの間にかこちらも泣いています。
まさに地獄絵図そのものですね。
今も続く「イヤイヤ期」
3歳になった今、どうなっているかというと、まだイヤイヤ期は続いています。
厄介なことに、一度イヤイヤ期が終わったと思うような時期が、以前2か月程続きました。
1年以上続いた地獄からやっと抜け出して、人間らしい生活をおくり親子関係が築ける、と安心しきっていたので絶望感がすごいです。
そして前回の地獄の日々がしっかりトラウマになっているので、「帰らない!」とちょっと言われただけで、こちらはもう号泣。
もう終わったと思っていたので、対応する余力は残っていません。
恐るべしイヤイヤ期の再来。
いつか終わりが来て、さらには「あの頃は大変だと思っていたけど、いい思い出」になるだろうこの「イヤイヤ期」という地獄。
いい思い出になる日を夢見て、今日も妖怪と戦っています。