事故は突然やってくる
子供同士の付き合い方に、大人が口を挟むなといわれても、子供の起こした出来事の責任者は親になります。
できるだけ、日常で他人を傷つけないように、と教えているつもりですが、事故というのは、突然にもやってくるものなのです。
我が子は、野球部に入部しており、日々練習に励んでいたのですが、野球の練習中に、相手の男の子の顔に、ボールを当ててしまいました。
息子が投げたボールは、勢い余って、運悪く相手方の目の周辺に当たったのです。
被害者の顔は赤紫に腫れ上がり、同じ子を持つ親として、謝罪の言葉もないくらいでした。
お宅へ謝罪に赴き、病院へもお見舞いにいきました。
相手方は、事故だから気にしなくていい、と言ってくださいましたが、そうはいきません。
治療費も支払わせてもらいました。
もし、彼がもう少し成長してから、患部に障害がでたらと思うと、いたたまれないからです。
息子のショック
相手方は、病院で診察も受けているし、大丈夫です。と責めることはなくても、息子にはショックが大きかった様子です。
罪悪感から高熱を出して、学校を休むようになりました。
相手方が学校に登校してきても、息子は不登校のままです。
おそらく、周囲の人間の注目が、気になるのだと思います。
転校させるか否かで、悩みに悩んだ時期です。
転校!?
転校しても、問題から逃げるだけになる、という夫の考えと、すぐにでも子供の心を守り、みんなと同じ教育を受けさせたい、という私の意見で対立していました。
夫の仕事を考慮すれば、もちろんのこと、息子の転校に伴う引越しは、母と子の二人になるのです。
結局、息子が強くなるしかない問題だ、という結論のもと、相手方も許してくれていることもあり、転校は見送りました。
決して悪気があったわけではないことは、相手方が1番理解してくれているのですが、心の弱い息子はそれさえも辛い様子です。
こんな時に、親として息子にどんな言葉をかけてあげるべきなのかわからずに、誰にも相談できませんでした。
一般的には、あなたは悪くないからと言えば、オーバーな責任転嫁になります。
「あなたは悪くない!」
しかし、自責の念が強すぎる息子の場合には、あなたは悪くない大丈夫。という言葉が必要でした。
親が治療費を支払っているとは知らない息子です。
治療費を負担することで、責任はとっているという教えも、極論であると思います。
子供の起こした事故は、全て親の責任です。
物的、精神的に、事故の加害者という身を、どのように受け止めるか、誰にも相談できずに、悩ましい日々でした。