ドラマのような(?)社宅住まい
子育ての現役から遠のいていますが、息子の出産での経験談です。
住んでいた所が、社宅住まいということもあり、主人の会社の同僚 上司との兼ね合いもあり、若くして結婚した私達には、妊娠一つを取っても、過剰に敏感に反応していました。
ドラマで、社宅を舞台にしたものがありますが、実際に自分が住んでみると、ドラマもバカにならないほど、色んなしがらみがあります。
今思えば、妊娠中から周囲の目を気にして、生活していました。
自分よりも先に入居された、主人の先輩の奥さんが、まだ子宝に恵まれていないこともあって、ご本人でなく、その周囲が煽り立てるんです。
若いから、立て続けに何人でも、子供が出来るんじゃないの?とか、若くしてできる子って、優秀でしょうねなど、どう捉えても、嫌味を胎教にして過ごして来ました。
また、同じ頃に社宅に入居した仲良しの先輩は、中々子供が出来ず、不妊治療をしていました。
その先輩に、社宅の奥様方は、「あなたの方が先に結婚したのに、負けちゃったわね」と、平然と言ったんです。
その奥様は、ご自身が有名大学を卒業されて、ご主人は某国立大学の出身で、会社でも有望視されていました。
その一言があってから、先輩とも気まずくなってしまいました。
破水、呼吸困難、帝王切開
いざ出産を迎えても、また良い思い出はありません。
陣痛が長過ぎたのと、破水が早過ぎたことで、息子の呼吸が弱くなり、急遽帝王切開になったんです。
こういうことも、社宅は情報が早く伝わります。
病院から会社に、手術の承諾書を急いで書くよう、連絡がいきました。
敗血症の疑いを持ちながら、息子は私に抱かれることもなく、小児科の保育器に入れられて、たくさんのチューブやコードに繋がれていました。
私が息子に会えたのは、出産後3日経ってでした。
初孫が生まれたのに、命の危険があると聞いた私の両親は、どんな気持ちだったろうと、思い出しても涙が出ます。
それでも生きるべき命は、ちゃんと生きるものだとわかりました。
3週間の小児科入院を経て、息子は無事退院。
小さい身体で、頑張ってくれました。
想像通り(?)の奥様方の言葉
そんな私達親子が社宅に戻ると、思ったように(?)奥様方からの言葉が迎えてくれました。
「死にかけたんですって?」「きっと弱い子になるわね」と、想像通りの言葉のお祝いでした(苦笑)
私も、この出産を通して強くなりました。
息子を守るのは、自分しかいないと自覚できたんです。
周囲の言葉を気にして生活して来たことが、胎教に良くなかった、そんな妊娠中を過ごしたことが、息子に申し訳ないと思いました。
生まれた時の入院と、月に数回の小児科受診で、同じような境遇のお子さんを抱えたママさんとも、お互い励ましあうことで親しくなれましたし、 一緒に乗り越える事もできました。
社宅住まいは、息子が小学校4年まで続きましたが、息子の成長で、お付き合いも広がったことで、なんとかやり過ごしました。
お腹に赤ちゃんができた時から、子育ての環境作りは、自分が強くならないと大変だと思う経験でした。