浅はかな私… 冷静・迅速・立派な夫… そして、息子の危機は免れた

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ある日、学校から電話がかかってきた

 

学校では、生徒たちは先生の管理下にあります。

 

 

 

その先生が事実と判断した内容と、子供の言い分が違った場合、親としてはどういう対応をするのがベストなのでしょうか。

 

 

 

私はこの対応を誤ったために、もう少しで子供を深く傷つけてしまうところでした。

 

 

 

数年前のある日、学校から電話がかかってきました。

 

 

 

息子がクラスメイトを走って追いかけて、服を引っ張り破いてしまったというのです。

 

 

 

あまりのことに頭が真っ白になり、「申し訳ございません」と電話口で平謝りです。

 

 

 

目撃していた同級生達は、ふざけて股間を触られたことに息子が怒って、トラブルになったと証言しているということでした。

 

 

 

早合点

 

先生が調査したところによると、密かにクラスの男子生徒の間で、股間をタッチする遊びが流行していて、段々と痛みを伴うほどの悪ふざけに、エスカレートしてしまっていたことがわかったそうです。

 

 

 

先生は、そのような事態を把握できていなかったため、トラブルに発展したと謝罪され、今度からは気軽に相談するように指導しました、とも言われました。

 

 

 

おとなしい部類に入る息子が、そのような行為をしたことに驚きつつも、ご迷惑をおかけした相手の親御さんに、謝らせてくださいと申し出ました。

 

 

 

ふざけあいが高じて起こったトラブルでも、禍根を残さないように謝罪しておくのが、親としての責任だと思ったからです。

 

 

 

先生の許可をいただいて、相手の親御さんに電話し謝罪しました。

 

 

 

相手のお母さんも事情を学校から聞いたそうで、「男の子にはよくあること」となり、ひとまずは一件落着となりました。

 

 

 

ここでようやく私は、帰っていた息子から事情を聞く気になりました。

 

 

 

真実

 

きっと落ち込んで、自分のした行為を反省しているはずだと思っていました。

 

 

 

ですが息子からは、予想とは違った反応が返ってきたのでした。

 

 

 

息子は「追いかけたなんて誰が言ったの」と憤りを見せ、あるクラスメイトが股間を触ってきたので、腕を掴んだらが袖が破れてしまったのだと言いました。

 

 

 

反省の色が見られない息子の態度に、「口でやめてと言えばいい」「どんな理由があろうとも乱暴なことをしてはいけない」と、極めて良識的と思われるセリフで息子を諌めたのでした。

 

 

 

でも、さすがに、ちょっと息子が可哀想な気がしました。

 

 

 

追いかけて服を破いたなどとは、ちょっとした校内暴力です。

 

 

 

夫に相談

 

事実でないならば、その部分だけでも学校に認めてもらいたくなった私は、半ば愚痴のように夫に相談してみました。

 

 

 

すると夫は大激怒。

 

 

 

激怒の相手は息子でもクラスメイトでもなく、なぜか私。

 

 

 

息子の目の前で、私が言った言葉は、痴漢に「やめて」と言えなかった被害者を責めることと同じ理論だと批判しました。

 

 

 

そして畳み掛けるように、ナイフで襲ってきた奴の腕を掴んで服を破いたとしても、ゴメンナサイっていう奴はいない、と極端なシュチュエーションで論破しようとする夫。

 

 

 

息子は黙っていましたが、私を見る目は冷ややかでした。

 

 

 

夫の立派な行動

 

すぐに夫は学校に電話をかけ、私を批判したような極端な表現は使わずに息子の言い分を伝え、第三者や相手からも聞き取り調査をした上で判断してもらわなければ、納得できないと再調査を要求しました。

 

 

 

そして息子の言い分が事実なのならば、息子に非は全くないと穏やかな口調でしたが、きっぱりと主張したのでした。

 

 

 

その数日後に行われた学期末の成績懇談会では、先生から思わぬ報告がありました。

 

 

 

夫からの電話を受けて調査した結果、あの悪ふざけは、学年全体のほとんどの男子が被害にあっていて、しかも悪ふざけ行為をしていたのは、ごく一部の男子生徒のみだったということがわかったというのです。

 

 

 

そして緊急学年集会を行い、そのような悪ふざけ行為を見かけた場合は、教職員に報告するよう指導済みだとも報告を受けました。

 

 

 

そして、相手のお子さんに確認したところ、息子が追いかけてきたという事実もなかったそうです。

 

 

 

他のクラスメイトが、違うトラブルと混同して証言してしまったものであることもわかりました。

 

 

 

夫最高! 息子も満足!! 私も感動!!!

 

息子は、理解してもらえたことに嬉しそうでした。

 

 

 

息子の言い分を聞くこともなく、学校からの情報を鵜呑みにして相手の親御さんに謝罪し、どちらかといえば被害者である息子に、説教までしてしまった私は、この大どんでん返しに唖然としました。

 

 

 

それに比べて夫の対応は、主張すべきことを主張し、子供を守ろうという態度を貫いた立派なものでした。

 

 

 

そして息子の前であえて私を批判することで、息子の不満を代弁して上手にガス抜きまでさせてあげていたのです。

 

 

 

もしあの時、相談せずに終わりにしてしまっていたら、表面上は丸く収まったように見えても、様々な不利益を息子や私は被ったことでしょう。

 

 

 

誰かと協力して子育てすることのありがたさを、しみじみと感じた一件でした。

 

 

 

 

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