真面目な息子
息子は、もともと授業中に、しっかり話を聞ける真面目なタイプの子です。
そのため、成績に関しては、さほど心配していませんでした。
1年生から大好きな習い事にも熱中していて、3年生になると週1回から3回に増やして頑張っていました。
小学生のうちは好きなこと(特にスポーツ)を、できる限りたくさんやらせたいというのが、わたし達夫婦の考えです。
そんなに高い月謝のスクールでもなかったので、親もやりたいようにやらせていました。
高まる習い事熱
練習回数が増えると、息子の習い事熱はどんどん高まりました。
放課後友達と遊んだ後に、公園に行って練習したり、室内でもできる練習を、毎日のようにしていたんです。
親の方もけしかけていたところはありますが、本人もやればやるほど上達していくことに、夢中だった様子でした。
そのような生活を、しばらく続けていると、練習で疲れて、家庭学習の量が減っていってしまいました。
外でしかできない練習も多いので、天気によっては練習を優先させて、勉強を休ませたりもしていました。
勉強がおろそかに
親も息子を、信頼しすぎていたとも言えます。
まだ3年生だし、勉強はこれから!なんて気軽な考えもありました。
しかし、結果は、わかりやすく表れました。
3年生を終える時にもらった通知表の評価が、大幅に悪くなっていたんです。
正直なところ、その評価は厳しすぎるような印象もありました。
でも、あえて厳しい目で考えてみると、確かにテストの点数は下がっていました。
落ち込む息子
先生からの警告と受け止め、わたしはしばし呆然としたのですが、息子はと言うとポロポロと泣いてしまったんです。
真面目な息子のことですから、思った通りの反応でした。
習い事も、たくさん練習すればそれだけ上手になる、勉強も同じ、逆なら当然だめになる…そんな当たり前のことを、息子に改めて話しました。
息子は黙って頷いて、わたしに向かって「どうしたらいい?」と相談してくれたんです。
その時、なんとかしてやらないと!という情熱が沸き上がってきました。
奮起する息子
わたしが提案したのは、「少ない量でも継続して続ける」ということでした。
それは習い事の練習のときに、いつも言っていた言葉です。
「平日、ちょうどいいくらいを、毎日勉強するか、休みの日は休んで、その分平日に多く勉強するか、どっちがいい?」と選ばせました。
堅実な息子が選んだのは、前者の方であり、これも予想通りでした。
次の日から現在中学生になるまで、体調不良や旅行は除いて、4年近くこのことを守って続けている息子は尊敬に値します。
恥ずかしながら、わたしはこんなに勉強する子ではありませんでした。
悔しさをバネにと言いますが、まさに息子はバネにして高く上がることができました。