下の子が生まれた
長男が3歳半の頃、下の子が産まれました。
出産に立ち会ってくれた息子は、赤ちゃんを見てとても喜んでいたので、さぞかし可愛がってくれるものと期待していたんです。
やっぱり兄弟がいるっていいな…出産直後はそんな気持ちで、長男を見つめていました。
しかし、お見舞いを終えて帰ろうとすると、今まで聞いたことのないような大声で泣きわめきだしたんです。
「帰りたくない!」の絶叫は病院中に響き渡っていました。
「赤ちゃん返り」と夫の反応
わたしは「来た!赤ちゃん返りってこれか!」とピンときたのですが、なんというか、不思議な感情ですが微笑ましくもあったんです。
今まで親の愛を独占していた長男は、自分で言うのもなんですが、本当に可愛がってきた自信があります。
それをしっかり受け止めていてくれたんだなと思うと、感激でした。
ただ、その絶叫がとにかくすさまじく、夫は鬼の形相でした。
「帰るぞ!」と長男の服を引っ張り、引きずるようにして病院から消えていったんです。
みんなが、そんな夫と長男を、振り返って見ていました。
困った夫
夫は普段温厚ですが、一度イラっとすると、ふてくされる頑固な一面もあります。
この後彼らが家でどう過ごすのだろうと、一気に不安になっていきました。
翌日、「退院まで、もうお見舞いには行かない」と言われました。
よっぽど夫は、まいってしまったのでしょう。
退院の日になると、長男はニコニコしながら病院に来てくれました。
みんなで帰ることに、さぞかし喜んでくれると思ったら…なぜか息子は「病院から帰りたくない!」とダダをこねはじめるのです。
だって「赤ちゃん返り」だもの
理解できずにいると、夫が「最近、ずっとこんなんだ」と言います。
意味のないわがままを言って、困らせているようで、そこに理屈はないのだと知りました。
赤ちゃん返りというのは、ここまで複雑なのかと驚いた瞬間です。
家に着いてからも、トイレの水を流したくない!でも流してもらうのもいや!と怒ります。
そんなことばかりです。
それを、温かく言い聞かせてあげられない夫の姿が、なんともかわいそうでした。
そして名案!
産後は赤ちゃんの世話に集中したいと思っていたのですが、さすがにわたしが関わらないと無理だなと思い、そこから実践してみたことがあります。
まずは、長男優先にするということです。
赤ちゃんが多少泣いていても、まずは長男の要求を聞き、その後、赤ちゃんに駆け寄っていました。
幸いなことに、それが可能だったのは、下の子がとっても育てやすい子だったからです。
赤ちゃんを足元に置きながら、長男に絵本を読む、赤ちゃんに授乳しながら長男と遊ぶ、常にそんな感じの毎日になってからは、長男の赤ちゃん返りも自然と治まっていきました。